安田記念2018の予想展望です。過去の傾向を分析して、今年の馬券候補馬を絞り込みます。
「リピーターレースっぽいけど実際どうなの?」「前走上がり3ハロンが速いといいらしいけどどうなの?」「相性の良い前哨戦」「相性の良い血統」といった辺りを取り上げます。
知っている話も多いでしょうけども、知らない話もちょっと出てくるはずです。
リピーターレースだが、2年目は成績が落ちる
過去5年でショウナンマイティ、モーリス、ロゴタイプの3頭が2回馬券になっています。グランプリボスは2012と2014で2着。2013年は10着でした。
共通しているのは、「2回目は着順を落としている」こと。
ダノンシャークは初回で3着に入りましたが、2回目で4着に落ちて、3回目10着、4回目7着でした。
古いですが2008、2009年で連覇を果たしているウオッカも2年目のほうが着差は小さかったです。もっと古いですが2005、2006年のアサクサデンエンも1着、2着と着順が落ちました。
安田記念はタフなレース。みんな命を燃やして走っているのです。適性だけでポンポン簡単に馬券になっているわけではありません。
昨年3着のレッドファルクスは勝つまではちょっと厳しいかも。あるとしても3着か。
1回目がダメでも2回目以降に花開くこともある
1年目に馬券外に凡走であれば、2年目に成績が上がるパターンはよくあります。
1回走ってダメだったからといって見限るのは早計です。サトノアラジン、クラレント、フィエロなどが該当。
荒波に揉まれて経験を積む、ということが無駄にはならないレースだということが言えると思います。
今回が2回目の挑戦になる馬は、リアルスティール。
前走上がり3ハロン順位が3位以内かつ負けている
2017年サトノアラジン、2016年フィエロ、2015年ヴァンセンヌ、2014年ショウナンマイティ、2013年ショウナンマイティと5年連続馬券圏内に送り込んでいる驚異の法則。
注意したい点は、「末脚がキレる馬」が有利というわけでもなく、「安田記念は差し決着になりやすい」というわけではない、ということ。
ただ単に、「前走上がり3ハロン順位が3位以内」だと「安田記念で人気以上に走って馬券圏内に入りやすい」というだけの話なのです。
しかも、これは人気薄で馬券に絡んだ馬がそうだったというだけで、スワーヴリチャードやペルシアンナイト、サングレーザーにとってはあまり意味のない話です。
今年の出走馬の中で当てはまるのは、サトノアレス、レッドファルクス、リスグラシュー。たぶん、ウエスタンエクスプレスも。
マイラーズカップは好走馬はダメ。見どころ無しで負けた馬が良い
有名な話ですが、マイラーズカップ組は安田記念と相性が最悪です。
マイラーズカップで狙うなら、コロッと負けた馬。
「京都には向いてなくて、東京に向いているであろう馬」などと難しく考える必要はありません。
ただ単に、マイラーズカップでコロッと負けた馬で良いのです。そうじゃないと、フィエロやダノンシャークを指名し難くなってしまうからです。
ちょっと乱暴ですが、今年マイラーズカップで凡走しているブラックムーンとダッシングブレイズは多少期待しても良い馬ということができます。もちろん、マイラーズカップ凡走以外にも買い材料は必要ですが。
マイラーズカップの罪深さ
マイラーズカップと安田記念は距離は同じですがコースが違います。ですから、本来ここでのレース内容はストレートに参考にするわけにもいかないはずです。にも拘わらずみんなが振り回されるのは、近い時期に行われる1600mの重賞がこれしかないからだろうと思います。人間も馬と一緒で近い記憶に影響を受けやすいようです。
反対に、その1ヶ月前にある中山1600mのダービー卿チャレンジトロフィーはあまり信用されない傾向にあります。
「中山は小回りだからねえ……」と言うくせに、「京都は大回りで直線も長いから」と都合良く解釈してしまう。人間って怖いですよ。
京都のマイルは、スタートしてからずっと直線、3コーナー途中から下りで最後の直線は平坦。馬が気持ち良く走りやすいのだと思います。ごちゃつく中山マイルよりも東京マイルとのギャップがでかい。よって、楽から苦の流れになってしまう。
楽からの苦の流れを吹き飛ばすほど強い馬なんてそう滅多にいません。過去のマイラーズカップ勝ち馬にそこまでの強者がいなかった、ということです。
かといってサングレーザーは一銭もいらない、と言いたいのではありません。走る前から不利な材料が多いのだから、それでも買うのであれば、「マイラーズカップの走りが良かった」ということ以外に強烈な買い材料が欲しいということです。
京王杯スプリングカップはどんな内容だと良いのか
京王杯スプリングカップは距離が1400mと本番より200m短いです。ここを使ってくる馬は200mの距離延長によりパフォーマンスを上げてくるようなタイプである必要があります。
それなりの脚を見せて凡走というのが一番良いでしょう。
逆に、京王杯で短縮を決めてズバッと勝ってしまうような馬は安田記念では苦しみます。
ムーンクエイクは、普通に走ったのでは大変厳しい状況です。ルメール騎手の魔法のステッキに頼るしかありません。でも、意外と人気がなさそうなので、多少甘く見て判断してもいいと思います。
距離短縮組が強いけれど
2000~2400mで強い馬は、基本的にどんな距離で走っても強いです。数学が得意な人は論理的な考え方をできるので、どんな教科でもそれなりに点を取るのと一緒です。2000~2400mのレースには「競馬に必要なすべての要素が詰まっている」みたいな感じでしょう。
2018年は短縮組のスワーヴリチャードとペルシアンナイトが人気を集めています。
これらの馬に対しては、マイルに対応できるかどうか、を考える意味はあまりなくて(ペルシアンナイトはマイルCS勝ってますし)、短縮であることを抜きにして今回走れる状況なのかをしっかり検討する必要があります。
微妙な人気になりそうなリアルスティールは2年前に失敗したローテーションなのが気がかり。
「短縮だから」という理由だけで買っても良い馬は今年はいません(もともとそんな馬はいない?)。残念です。
逃げ馬はどうなの
過去の傾向や馬場云々を抜きにして、逃げ先行馬には注意を払いたいものです。ロゴタイプは皐月賞馬だから通用したんだ……とたかをくくっていると、やられるかもしれません。
今年逃げそうな馬はアエロリットとウインガニオン。両者「逃げられなかった逃げ馬」になる資格を持ってます。
今回距離延長になるウインガニオンのほうが有利でしょう。ヤケクソになれる人気ですし。
血統・長距離血統
サドラーズウェルズ系やリボー系、マンハッタンカフェ、ダンスインザダークなど、長距離で活躍できる血を持っている馬が穴を開けています。
ディープインパクトは意外と苦戦。複数出走しているときに人気がないほうが好走する事例が多数あります。
父がノーザンダンサー系はロゴタイプ以外は全然ダメです。ここ最近の出走馬がみんな人気薄ばかりであまり参考にならないかもしれませんが。
とはいえ、あまり神経質にならないほうが良さそう。
東京マイルの成績が良い短距離系の種牡馬(ダイワメジャー、クロフネ、アドマイヤムーンなど)が、必ずしも安田記念でも良い成績を残せるわけではないということは覚えておいて損はないと思います。
まとめ
- サトノアレス
- リスグラシュー
- ブラックムーン
- ウインガニオン
- ウエスタンエクスプレス
香港のマイル路線はみんな強いのでウエスタンエクスプレスは注意。人気もないですし。