キタサンブラックの引退、大阪杯の存在により活きの良い馬は少なめ。大混戦の様相を呈しています。有力各馬それぞれ「良い材料」と「悪い材料」がちょうど良くブレンドされており、非常に難解です。
それにしても今年の人気は絶妙ですね。どの馬から入っても目が飛び出るような高配当は期待できません。それは仕方がないことなのですが、ちょっと不満なのは例年であれば伏兵扱いのはずのガンコやクリンチャーがやけに人気しており、しかも内枠の先行馬ということで嫌いにくいということ。嫌う要素を挙げるとすれば、騎手の問題とか蓄積された疲労やストレスなど。しかし、重箱の隅をつつくようなことをして嫌うほどのマイナスでもない。
終わった後、「そっちかー……」とぼやいてしまいそうな予感がビンビンします。が、こんなときこそ自分の力が試されるのだと思って歯を食いしばります。
天皇賞(春)・クソ予想
- ◎カレンミロティック
- ○チェスナットコート
- ▲シュヴァルグラン
- ☆トーセンバジル
- △アルバート
- △ガンコ
- △クリンチャー
◎カレンミロティック。あえての、今更。どれも大差ない今年の出走馬の中で、一番後悔がない選択肢だと思いました。大団円が待っています。
○チェスナットコート。天皇賞(春)が得意なハーツクライ産駒(勝ってないけど)で内枠&長距離得意な蛯名騎手。今年3戦目とはいえ、重賞は前走の日経賞だけなのであまり疲れていないはず。鉄板パターンとは言えませんが、このメンバーの中では疲労少なめ鮮度は高めということでまあまあ十分だと思います。
今年は武豊騎手が不在ということで、乱ペースになるんじゃないかという予想もちらほら聞こえてきます。私はその意見に賛成、というか期待しています。ぐちゃぐちゃな展開もまたドキドキしていいですよね。
デムーロ&ルメール騎手の早め進出によって先行馬が総崩れなんてことになれば、インでじっと我慢できるはずの池添騎手&カレンミロティックと蛯名騎手&チェスナットコートはかなり有利になります。大混乱が起きれば他の馬はたぶん持ち味を殺されるし、はね返すほどの圧倒的な能力もない、はず……。
逆に、例年のようにインが有利ならば、それはそれでオッケー。どっちに転んでもお得なのはこの2頭です。
▲シュヴァルグラン。実績断然。しょうがない。しかし、同じG1で3回連続馬券になるのは非常に困難であり、この馬が例外であるというのもやや無理があるように思われます。キタサンブラックが3回連続有馬記念で馬券になっていますが、あれは3~5歳でのもの。ピッチピチの勢いでどうにかなる3歳オプションを使えない4~6歳ではちょっと話が違うでしょう。勝たなければ意味がない立場なので、厳し目に見て付き合うのが良いのでは。飛んだらラッキー、勝つなら堂々たる姿を見せていただきたいです。
☆トーセンバジル。シュヴァルグランを除いて、海外のG1で3着になれる馬がこのメンバーの中にいますか?いませんよね?おまけに京都も得意。前走はトライアル仕様な感じでサクッと負けたのも良い。
「外枠じゃなければ…」と思っている人も多いみたいですが、逆にそれで人気が落ちるなら美味しいという考え方もできます。デムーロ騎手の仕掛けに期待。実る可能性は低そうですが。遅かれ早かれ多少強引に動いて良いポジションを取る必要があるでしょうから、体力が持つことを願います。
△アルバート。「向いていない」から結局ダメなのか、キタサンブラックがいなくなったことで順位を上げられるのか。いずれにせよ過去2回のような競馬をしていては間に合わないことは明らか。なにか違うことをしたい。要は早仕掛け。実績や適正で特に目立つものがない馬に対して、仕掛け云々に期待して印を重くするのはなんか違う気がする、でもありっちゃありだと思うので押さえ、という感じです。
△ガンコ&クリンチャー。来たらイヤだ、的な馬。
ガンコの日経賞、クリンチャーの京都記念をそれぞれベストパフォーマンスとしましょう。まず1つ言えるのは、そのベストパフォーマンスではG1を勝つには足りないということです(妄想)。あれでG1馬になれるなら、苦労しません(個人の意見です)。
「成長株」的な馬は跳ね返されることが多いのが春の天皇賞です。「成長株」として結果を出すには、「ぶっきらぼうで」「暴力的な脚力」なんかが欲しいのです。しかし、2頭にはそれがない。むしろ逆にレース巧者的な出世パターン。
しかも、それを今年に入ってから見せた&今年はまだ大崩れしていない、というのもまた厄介です。どこかでガス抜き凡走してもらいたかった。
だから、あまり来てほしくありません。来るなら来年。しかも前哨戦で凡走からのローテーションで。
来年以降考えなければいけないパターンが増えないことを願います。
与太話・血統
ハーツクライ産駒が良いことも、内枠が良いことも、大変有名になっており、人気にもそれなりに反映されています。
前につけられる、というか勝負どころで良いところにつけられる馬、もっと言えば、「直線入り口で5番手以内にいられる馬」が有利であることも広く知られています。
かといってハーツクライ産駒だからといっても何でもいいわけでありません。いつも器用に立ち回っていた馬が、今日突然引っかかったり暴走するかも知れません。それは枠順も然り、ローテーション然り、思い通りになるとは限りません。
わかっています。わかっていますよね、そんなことは。わかっているからこそみんな悩むのですよね。
初出走はあまり良くない説
ハーツクライ産駒やトニービンの血統は初出走の年はイマイチで、2年目以降のほうが成績が良い傾向にあります。
ジャガーメイルやウインバリアシオン、シュバルグラン、カレンミロティックは2回目のほうが着順が上です。
「急激な環境の変化に弱い」のかもしれません。アウェイだとソワソワするタイプなんでしょうね。
人気薄を狙うときは、初舞台、初G1は良い意味で使われるとが多いですが、当然ダメなパターンもあります。少しの慣れと少しのショックがうまく噛み合ったときが最も力を発揮しやすいのかもしれません。
与太話・ひっかけ馬たちに思いを馳せる
シャケトラ、ゴールドアクター、アドマイヤデウス、キズナ、ラストインパクト、サトノノブレス、ゴールドシップ、デスペラード……
近年、上位人気に支持されたり、穴人気になったのにも拘わらず、にっちもさっちもいかなかった馬たち。
今こうして名前を見てみると「そんなの来る訳ないじゃん!」と思いませんか?私は思います。しかし、戦前はみんなを散々悩ませたことは紛れもない事実。
後から考えると、まさに「金返せ」的な馬たちです。でも、レース前は考えれば考えるほど無碍に扱うわけにはいかないんですよね。
今年はそんな馬がちょっと多い気がします。
今年のくせ者たち
1番人気のシュヴァルグランは前走大敗。年齢も年齢ですから、去年の有馬記念で自分の競走馬人生は終わったと思っているかも知れません。
レインボーライン、トーセンバジル、アルバートは「結局ね、そういうことなんですよ。僕なんてそんなもんです。」なんつってまたしてもG1の壁に跳ね返されましたパターンが怖い。
ガンコ、クリンチャーは色気を出して先行するもまくり合戦になり持ち味生きず、あるいは高速馬場は苦手でした、あるいは騎手が下手こいた……などなど。
サトノクロニクルは鈍足でついていけない疑惑。可もなく不可もなくが凄すぎて、本当に可もなく不可もなく終わるパターンになりそう……。
チェスナットコートは、「ポッと出」が洗礼を浴びる可能性は低くない。この手の馬はだいたい「伸びしろに期待票」が入るのですが、それがなんだか妙に信憑性があるような気がしてきて乗ってみるものの、結局騙されたり……