2017年からGⅠに昇格した大阪杯の回顧です。
戦前のテーマとして、「休み明けは辛い」を勝手に掲げました。宝塚記念と似たような感じになるだろうという読みからです。
結果的にはうまくいったような気もしますが、来年以降も追って経過の観察が必要だと感じました。
大阪杯結果
1着△キタサンブラック
2着◎ステファノス
3着◯ヤマカツエース
4着 マカヒキ
5着▲アンビシャス
スタート直後から位置を取りに行ったステファノス川田騎手も、外枠ながらいい感じに道中を運んだヤマカツエース池添騎手も上手くやったのだと思います。キタサンブラックが厄介過ぎました。
武豊騎手はレース前のインタビューで「マークされているのではなくて、むしろマークさせている」みたいなことを言ってました。
先行馬はマークされて不利ですけど対策は?という質問に対しての答えです(多分)。
結果、毎度キタサンブラックが有利なレースになります。有利じゃなくても、力を十分発揮してくる。騎手が自信を持って乗っている馬はやっぱり強いですね。
で、休み明けはよくないのか
今回のテーマは「休み明けは辛い」でした。
大阪杯がGⅠに昇格したということで、各陣営のこのレースへの狙い方は変わる。ローテーション(番組編成)も変わった。
参考にするレースは取り敢えず宝塚記念。
宝塚記念はぶっつけの馬があまりよくない。穴を開けるのは鳴尾記念や金鯱賞(開催が近かったとき)が多い。
という発想です。
サトノクラウン、マカヒキ、ミッキーロケットが崩れたところまでは良かったです。
これは大阪杯が、「国内古馬混合GⅠで実績がないのに人気を集めてしまう馬」よりも、「直前の前哨戦で連対している調子の良い馬」のほうが有利なレースだという意味なのではないでしょうか。
惨敗からの巻き返しに期待するなら、国内古馬混合GⅠでの好走歴、または別定GⅡ勝利ぐらいの実績があると望ましい、と思います。
同じような能力と思われる馬同士なら、ある程度調子が良くて、近々に使われていて緊張感のある馬を上位にとる作戦は来年も使えるのではないかと思います。もちろん宝塚記念でも。
ぶっつけのキタサンブラックは勝ったけど?
「休み明けは辛い」といっておきながら、キタサンブラックが快勝してしまいました。ステファノスとヤマカツエースのワンツーであれば完璧だったんですが…。
しかし、如何せんキタサンブラックは強すぎた。仕方がないですね。例外的に強い馬は諦めるしかない。
不安要素は絶対探す(たとえ妄想でも)。
無理に切ったりはしない。
実力が認められたらそれなりに買う。
ぐらいのゆるい付き合いをするのが精神衛生上良いのかなと思います。
とくにキタサンブラックは自分でレースを作ることができる先行馬なので、あまり逆らわないほうがいいですね…。
マカヒキとはなんだったのか
関東地区の土曜競馬中継に出演しているキャプテン渡辺さんが、番組中のネタを披露するコーナーでこんなことを言っていました。
↓↓↓
「飲むとダービーの話しかしない。」
普段は滑らかに滑走するキャプテンさんですが、これは色んな意味で非常に言い得て妙だと思いました。
しょうがないんです。ダービー馬というのはそういうものです。3歳の春に東京2400で輝くタイプの馬は、必ずしも万能とは言えません。オルなんとかやディーなんとかが超のつく例外なだけ。そして、どうしても差し馬は消耗しがち。展開面はもちろんなのですが、ローテーションとか、疲れとかストレスとか、パフォーマンスを落とす要因をたくさん抱えています。
ましてやディープインパクト産駒でダービーを勝つような馬は、キレッキレで軽いので古馬になってからのヘヴィーな戦いでは遅れを取りやすい。
3歳時に頑張りすぎて消耗し、徐々に尻すぼみになるのに、昔のかっこいい差し脚のイメージが残っているから人気になりやすい。叩いて2戦目より、休み明けのほうが走りやすいのに、逆に思われてかわいそう。
ダービー馬は弱い、訳ではない
ダービーは4歳春全休。古馬になったら天皇賞秋とジャパンカップしか使わない。5歳になったらあえて安田記念。とかやればもっとかっこいい戦績を維持できるでしょう。
消耗しやすい差し馬でも、休み休み使われればなんとか持ちそう。得意でもなんでもないレースに無理やり使われたら、そりゃあ誰だって嫌になります。
サラブレッドはいつもいつでも最高の走りをしてくれるわけではありません。最高に輝いていたときの姿を追いかけたくなる気持ちもわかりますが、現実を見つめることも大切だと思います。
まとめ
キタサンブラックは例外的に強いので、飛ぶのを期待しつつ馬券はしっかり押さえるべし。オーナーの北島三郎氏が年内引退宣言を撤回。来年(6歳)も走るそうです…。もう国内で走るのはちょっと勘弁して欲しいですね。