「今年の桜花賞は堅いよね。」
2016年も、2015年もみんなそう思っていました。でも結果は違った。
人間は、とても反省が下手な生き物です。そして、桜花賞は「1番人気が弱いレース」です。サラブレッドたちは競馬を通じて私たちに大切なことを教えてくれました。
わかります。よくわかります。
「ソウルスターリングは別格。阪神ジュベナイル圧勝。前哨戦もチューリップ賞を使っているからローテーションもデータ的に完璧。ディープインパクト産駒じゃないけどフランケルなら大丈夫でしょう!」
そう思っているんですよね?
それでも、いまいちどよ~く考える必要があるのではないでしょうか。
競馬は1頭でやっているのではありません。ある1頭の馬の良し悪しを語るよりも大切なことがあるはずです。
桜花賞のざっくり傾向
ディープインパクト産駒が強いことで有名な桜花賞ですが、最近はキングカメハメハ産駒の台頭も目立ちます。なので、穴馬を狙うなら、直線でズドンのタイプだけでなく、器用に立ち回るタイプにも注意しておきたいところ。
あとは、安定のチューリップ賞組。そして、外枠有利。メジャーエンブレムもルージュバックも一桁馬番で飲み込まれました。
ソウルスターリングが1、2枠に入ってくれることを祈ります…。
桜花賞・全頭診断
アエロリット 55.0
クロフネ産駒。前走クイーンSで2着(1着はアドマイヤミヤビ)。その前のフェアリーSでも2着。評価が難しい馬です。
器用で安定して走りますが、決め手に欠けるともいえます。この手の馬は「まだ奥がありそう」と感じさせておいて、いざGⅠになって惨敗し、「実は毎回力通り走っていた。相手が弱い or レースが軽いだけだったパターン」というのもよくある話。多分、穴人気するので、過度な期待はしないでおいたほうがいいかも。
アドマイヤミヤビ 55.0
ハーツクライ産駒。ここまで4戦3勝。前走クイーンS快勝。
昨年の秋、弥生賞を勝って皐月賞でも人気を集めるカデナを相手に百日草特別も快勝。とにかく快い勝ち方をする馬です。スムーズに、そつなく立ち回り、直線もしっかりズバッと伸びてくる。ソウルスターリングとは未対決なのも魅力。阪神マイルも経験済み。
アロンザモナ 55.0
ストリートセンス産駒(ミスプロ系)。前走チューリップ賞7着。紅梅S勝ち馬。
1400→1600、そして今回1600のローテーション。前走は距離延長で大変、慣れた今回激走…となってもおかしくない。2年連続してキングカメハメハ産駒が馬券になっているので、同じミスプロ系のこの馬も、と考えるのは…ちょっと無理があるかも。
ヴゼットジョリー 55.0
ローエングリン産駒。ベルルミエールの妹。前走アーリントンカップ4着。新潟2歳Sの勝ち馬。阪神ジュベナイルは5着。
なんとも絶妙な戦績。結局また掲示板の下の方で終わりそう。思い切って前に行けば。
カラクレナイ 55.0
ローエングリン産駒。3連勝でフィリーズレビューを勝利。
フィリーズレビュー組は基本相性が悪く、いい勝ち方をした馬でもなかなか馬券にならない。マイル経験がなく、1400mしか使ったことがないのもキツイ。デムーロ騎手から乗り替わりになるのもマイナス(田辺騎手がダメというわけでなく)。
カリビアンゴールド 55.0
ステイゴールド産駒。前走500万下(中山1600m)1着。
無理。
カワキタエンカ 55.0
ディープインパクト産駒。前走君子蘭賞(500万下・阪神1800m)1着。
前々走チューリップ賞5着。なので、面白いっちゃ面白い存在。ただこんな押せ押せのローテーションで馬券になった馬は皆無。しかも、前走は逃げて勝っているので今回は短縮でマイル。さすがに大変。買うとしたら、ディープ産駒であるということを頼りにするありません。
ゴールドケープ 55.0
ワークフォース産駒(ミスプロ系)。前走フィリーズレビュー3着。
キャリア8戦で阪神ジュベナイル6着。500万下の白菊賞を勝った時は9番人気。こういう馬が桜花賞で馬券になることはほとんどない。
サロニカ 55.0
ディープインパクト産駒。前走エルフィンS1着。
2011年の桜花賞馬マルセリーナによく似たローテーション。ただ、マルセリーナはシンザン記念3着の実績があったし、エルフィンSを上がり最速で差し切っている。この馬はエルフィンS逃げ切り勝ちで、重賞実績もない。昨年のレッドアヴァンセのほうがまだ近いか。
カワキタエンカ同様、ディープインパクト産駒であることに全てを託すしかない。
ジューヌエコール 55.0
クロフネ産駒。前走フィリーズレビュー4着。デイリー杯2歳Sの勝ち馬。
前走フィリーズレビューは直線で思っきり不利を受けているので巻き返しを期待できる。比較的器用に立ち回れるタイプなので、ここ2年のパターンにもそれなりに合致。
しかし、阪神ジュベナイル11着はさすがに負けすぎだし、そこで馬券になれなかった馬の桜花賞での成績もひどい。デイリー杯2歳Sはクラシックとの関連性もそれほど高くない(レベル云々は置いておいて)。
ショーウェイ 55.0
メイショウボーラー産駒。前走アネモネS 7着。
無理。阪神ジュベナイル13着。その前のファンタジーSでミスエルテの2着があるが、12番人気でのもの。こういう馬はクラシックではまず馬券にならない。
スズカゼ 55.0
ディープブリランテ産駒。前走アネモネS 3着。
なんだかガッチャガチャな戦績。これが来るならなんでもありになってしまう。
ソウルスターリング 55.0
フランケル産駒。前走チューリップ賞圧勝、前々走阪神ジュベナイル快勝。
説明不要。押さえにまわして飛んでくれるのを祈るのみ。そして多分飛ばない。
ディアドラ 55.0
ハービンジャー産駒。前走アネモネS 2着。
無理。何をするでもなく、なんとなくいつも善戦している感じ。クラシックは戦場だ。甘くない。
ハローユニコーン 55.0
ハーツクライ産駒。前走黄梅賞(500万下・中京1600m)1着。
厳しい。
フェルトベルク 55.0
ブラックタイド産駒。前走阪神ジュベナイルF 9着。
さすがにありえないでしょう。
ベルカプリ 55.0
ダイワメジャー産駒。前走フィリーズレビュー16着。
ない。
ミスエルテ 55.0
フランケル産駒。前走は牡馬相手に朝日杯FSへ挑戦して4着。
ファンタジーSを勝ったときまでは超大物扱い。朝日杯で負けて普通の強い牝馬くらいまで格下げ。休んでいる間にどんどん忘れられており、本人はさぞ歯がゆい思いをしているでしょう。ましてや1番人気が同じフランケル産駒のソウルスターリング。黙っていられません。
しかし、その年最初のレースが桜花賞という馬で馬券になったのは2014年のレッドリヴェールだけ。レッドリヴェールのときはライバルの数が少なかったですが、今年は粒ぞろい。ファンタジーSと朝日杯上位馬のその後を見ると、この馬がめちゃくちゃ強いという保証はできない。前哨戦も使えるなら使いたかったはずで、おそらくそれなり人気になるでしょうし、あんまり進んで買いたくない。
ミスパンテール 55.0
ダイワメジャー産駒。前走チューリップ賞2着。
例年の鉄板穴パターン。ダイワメジャー産駒は阪神マイルが得意ですし、チューリップ賞は上がり最速。鞍上は四位騎手ですし、半分より外の枠に入れば馬券になったも同然。身体も500㎏近くあり頼もしい。恐いのは、前走が8ヶ月ぶりのレースだったことによる反動。
ライジングリーズン 55.0
ブラックタイド産駒。前走アネモネS 1着。前々走フェアリーS(GⅢ)1着。
アルテミスSでの凡走がよほど印象を悪くしているのでしょうか。関東の牝馬はなめられているのでしょうか。たしかに歴史物語っているので無理もありません。
しかし、父ブラックタイドは桜花賞に強いディープコンパクトの全兄。母父キングカメハメハ先週の阪神で行われたGⅠ大阪杯は同産駒のキタサンブラックが勝ちましたし、3着はキングカメハメハ産駒のヤマカツエースでした。だから何?という感じもありますが、どうせ人気にならないでしょうから、外枠に入ったら押さえておいても良いのでは。
ライジングリーズンの牝系。え!あの名馬の近親!?と思わせて、微妙に違う名前が出てきてちょっと面白いです。
リスグラシュー 55.0
ハーツクライ産駒。前走チューリップ賞3着。前々走阪神ジュベナイル2着。
阪神ジュベナイルは出遅れたことも考えれば勝ったソウルスターリングと同等の評価を与えても良いのでは、と思わせておいて休み明けのチューリップ賞は案外。このままどんどん差が開くパターン?と思わせておいて矢作厩舎なので巻き返しはありそう。
半端についていくよりも、しっかり溜めたほうが良いのかもしれませんね。
レーヌミノル 55.0
ダイワメジャー産駒。前走フィリーズレビュー2着。
ちょっと前向き過ぎる。2歳の夏以降重賞で勝てていないので普通はいらないパターン。
ですが、「1番人気で力を発揮し切れず敗戦」の直後なので巻き返しやすい状況。池添騎手に乗り替わりも相まって一気に化ける可能性は0ではない。内枠に入ってさっと逃げたり、セコく溜めたりしたらぬるっと2、3着はあるかも。
まとめ
1頭1頭見ているとなんとなくわかったような気になりますが、それで全体を見失ってしまっては本末転倒です。
本番まで、楽しく悩みましょう!