私情を挟まずに、日本ダービーの馬券候補馬を絞る方法を紹介します。
「この馬が世代最強だと信じている」「馬体に惚れた」「この母の血統は応援してるから」「◯◯にはダービージョッキーになってほしい」みたいな個人の思い込みをできるだけ排除して押し進める方法です。
ポイントは皐月賞の人気と着順、トライアルレースの青葉賞と京都新聞杯の着順です。これで半分まで絞れます。
そして、皐月賞の結果が荒れたかどうかによってさらにふるいにかければ最終的に残るのは6頭です。ここまでやれば馬券の組み立てがずいぶん楽になるでしょう。
ダービーの馬券候補を6頭まで絞る方法
皐月賞で5番人気以内 or 5着以内
皐月賞のときに5番人気以内に評価されるほど評判が良い馬であれば、皐月賞の結果がイマイチでも日本ダービーで巻き返すことが可能です。
皐月賞以前に賞金を加算できていた馬が、皐月賞で体調を落としてダービーに向けて再度上昇してくるパターン、ということなのでしょう。
皐月賞で5着以内。つまり世代ナンバー5以内に名を連ねる馬ということですから、当然「強い」ということです。勢いをそのままに本番のダービーでも好走する確率が高くなります。
よく知られていることですが、皐月賞での戦法は先行ではなく差しのほうが好ましいです。距離も直線も長くなるダービーはやはり差し馬有利。先行しての奇襲が有効な皐月賞で、その通り先行して結果を出した馬はダービーでパフォーマンスを落とします。
2017年。奇跡的に引っ掛かったダービー馬
この「皐月賞5-5の法則」に見事にハマったのが2017年のダービー馬レイデオロです。
皐月賞5番人気5着から巻き返しで1着と素晴らしい結果。当日は2番人気でした。
2着のスワーヴリチャードは皐月賞2番人気6着から当日3番人気。1番人気は青葉賞馬のアドミラブルに譲りましたが、皐月賞組の強さを結果で示しました。
この他にもたくさんの成功例があります。
たくさんある。5-5の法則がハマった事例
2015年。サトノクラウン。 皐月賞1番人気6着からダービー3着(3番人気)
2014年。ワンアンドオンリー。皐月賞4番人気4着からダービー1着(3番人気)
2012年。ディープブリランテ。皐月賞3番人気3着からダービー1着(3番人気)
2011年。ベルシャザール。 皐月賞3番人気11着からダービー3着(8番人気)
2010年。エイシンフラッシュ。皐月賞11番人気3着からダービー1着(7番人気)
2010年。ローズキングダム。 皐月賞2番人気4着からダービー2着(5番人気)
2009年。ロジユニヴァース。 皐月賞1番人気14着からダービー1着(2番人気)
2009年。リーチザクラウン。 皐月賞2番人気13着からダービー2着(5番人気)
2008年。スマイルジャック。 皐月賞4番人気9着からダービー2着(12番人気)
とはいえ、もはや種牡馬になってる馬たちが名を連ねる2013年以前の結果が参考になるのかは微妙なところです。
大切なのは「人気になった馬」と「結果を残した馬」を舐めちゃいけないということ。
2018年皐月賞の結果
1着_エポカドーロ(7番人気)
2着_サンリヴァル(9番人気)
3着_ジェネラーレウーノ(8番人気)
4着_ステルヴィオ(2番人気)
5着_キタノコマンドール(3番人気)
……
7着_ワグネリアン(1番人気)
9着_ジャンダルム(4番人気)
12着_オウケンムーン(5番人気)
前哨戦を加えて12頭まで絞る
今年はいい感じにバラけました。ここに皐月賞を回避したダノンプレミアム、毎日杯を勝ったブラストワンピースという無敗馬2頭、さらに青葉賞を勝ったゴーフォーザサミット、京都新聞杯のステイフーリッシュが加わってきます。
プリンシパルSはあまりにも結果が出ていないのでコズミックフォースはどうしても気になるのならば、何か劇的に買える要素が見つからない限りは最後の最後にヒモとして検討するぐらいが妥当でしょう。
現実的な馬券候補馬はこれで12頭ということになります。
12頭はさすがに多いのでもう少し絞りたいですよね。理想としては半分の6頭、せめて18頭の半分の9頭に絞りたいところ。
皐月賞の先行粘り込み馬はダービーで来ない説
直線が長い東京競馬場で行われるダービーは差し馬有利。小回りの中山競馬場でうまく立ち回って結果を出した馬にはちょっと厳しい舞台です。
実際に、「皐月賞で先行(4コーナー5番手以内ぐらい)して人気以上に好走した馬」のダービーの成績は壊滅的です。
2017年。皐月賞上位3頭総崩れ。ダービーはスローペースだったにも拘わらず……
2015年。2着リアルスティールと3着キタサンブラック。ダービーで4着と14着。
2014年。3着ウインフルブルームは回避
ちょっと古いですが、2007年のヴィクトリーとサンツェッペリンや2004年のダイワメジャー、メイショウボーラー。2003年のタイガーカフェなども。
この法則を打ち破っているのは2006年の2冠馬メイショウサムソンと1997年のサニーブライアンなどがいます。
過去5年以内となると当然事例が少なくてわかりにくいですが、要は「荒れた皐月賞」はやっぱりおかしな結果だと判断して良いということ。激走は激走、「もう一丁」はありません。
ということで、エポカドーロ、サンリヴァルとジェネラーレウーノは消しましょう(ここであえて先行勢に張るというのは、今回の趣旨とはまた別の話になるので違う機会に)。
これで9頭まで絞ることができました。
無敗馬2頭の扱いはどうするの?
ダノンプレミアムとブラストワンピースのどちらかを本命にしようとしている人は多いと思います。
過去の歴史を振り返ると、「消し」です。
このダノンプレミアムが、ブラストワンピースが好きで好きでどうしようもない、夢に出てくるというのなら思い切って本命にするのも良いでしょう。それもまた馬券の楽しみ方として良いものだと思います。
しかし、現実は残酷です。
休み明けでダービー制覇
弥生賞から直接ダービーで優勝?聞いたことがありません。
似たようなのが昔いました。エアグルーヴです。チューリップ賞を5馬身差で圧勝したのち、熱発で桜花賞回避。ぶっつけでオークスを快勝しました。
もう1頭います。フサイチコンコルドです。すみれSを勝った後、体調が安定せず何も使えず日本ダービーへ。当日も体温が安定しない中まさかの1着。7番人気でした。
どちらも96年の出来事、20世紀の話です。まだ携帯電話が一般に普及する前です。
このような針の穴を通すほど繊細で奇跡的な出来事が20年以上のときを経て再び巻き起こると信じるならば、2018年5月27日に東京都府中市で起こると断言できるというならば、ダノンプレミアムとブラストワンピースを購入しても良いと思います。そもそもそういう馬券の買い方をするのであれば、わざわざ屁理屈を転がしてあれこれと考察をする意味がありませんが……。
毎日杯から直接は休み明けと違う?
ブラストワンピースはちょっと扱いに困りますよね。パッと見強そうです。
毎日杯から直接ダービー参戦というと2017年のサトノアーサー、2012年のヒストリカルの2頭。ともに惨敗。「どこにもいなかった」という感じの敗戦です。
「皐月賞での厳しい流れを経験すること」や「青葉賞や京都新聞杯での本気の権利争い」に比べると毎日杯はぬるいのでしょう。本番ではG1の激しい流れにびっくりしてしまうようです。
1984年のグレード制導入以後2冠馬ではない無敗のダービー馬はフサイチコンコルドただ1頭というのもこの挑戦の難しさを物語っています。
ブラストワンピースには嫌な史実です。
……消しましょう。
これで7頭です。
微妙じゃない?ジャンダルムとオウケンムーン
皐月賞5-5の法則に沿って考えた時、やや頼りなく映るのがジャンダルムとオウケンムーンです。
「さすがに負け過ぎじゃないのか」と思ってしまいます。この感触は間違っていないでしょう。
皐月賞で4、5番人気以内で凡走、そこからダービー巻き返す馬といえば、少なくとも皐月賞の1つ前のレースは重賞を勝っていて欲しいところです。
「皐月賞4番人気以下かつ5着以下」からダービーで巻き返したのはレイデオロとスマイルジャック。この2頭は前走重賞を勝っています。
ジャンダルム……アウトです。主な勝鞍デイリー杯2歳Sはちょっと厳しい……。ホープフル2着を自慢したいところですが、過去ラジオたんぱ杯2歳Sや朝日杯FSの2着馬がジャンダルムのような状況に陥って巻き返したことはあるでしょうか……?
オウケンムーンに関しては1走前に共同通信杯を勝っています。東京1800mです。しかも年内。見限るのはまだ早いでしょう。ギリギリ抑えておきたい雰囲気があります。
ジャンダルムが脱落して6頭。この頭数ならいいところではないでしょうか。
2018年。日本ダービー馬券候補馬
ステルヴィオ
キタノコマンドール
ワグネリアン
オウケンムーン
ゴーフォーザサミット
ステイフーリッシュ
本命はお好きな馬で……
ちょっと待って。皐月賞6番人気と6着の馬はどうなの?
この手の消去法は対象範囲を広げだしたらキリがないので危険です。
しかし、気になるものは仕方がありません。しかも両方東京2400mで怖いハーツクライ産駒です。
2歳王者タイムフライヤー
皐月賞6番人気はタイムフライヤー。ホープフルステークスの勝ち馬です。
今年は不調で若葉S5着と凡走、体調は上向かずに皐月賞は無抵抗で10着。クラシックは本番に向けてグングン成長してくる馬が活躍するものですから、ここから1ヶ月で大爆発を起こすのはちょっと厳しいような気がします。
散々言ってきたように、皐月賞惨敗から巻き返すには上位人気であったことがとても重要です。なのでやっぱり消し……
4~6着はハナ差の激戦グレイル
皐月賞のVTRを良く見るとゴール直後3番手に上がっているのはグレイルです。
上がり3ハロンタイムは、ステルヴィオ、キタノコマンドール、グレイルが同じ34.8で1位。通ったコースの差こそあれど、ゴール直前の脚色はグレイルが1番でした。
ハナ差を重く受け止めるべきか、ほぼ一緒と見なすかは難しい判断になりますが、馬券的な考え方としては「拾っておけ」という態度が圧倒的に無難です。
僅差だったキタノコマンドールは話題性もあって人気機を集めることを考えると、人気薄が確実なグレイルは押さえておいたほうが良い1頭ということになります。
まとめ・日本ダービーの馬券候補馬
- ステルヴィオ
- キタノコマンドール
- ワグネリアン
- オウケンムーン
- ゴーフォーザサミット
- ステイフーリッシュ
- グレイル
- ダノンプレミアム
- ブラストワンピース
- タイムフライヤー
「データなんてクソ食らえ、今年は空前絶後の前残りが巻き起こる!」というのなら、皐月賞上位3頭に再度期待するのもありでしょう。とっても夢がある選択だと思います。