日本ダービー2018・クソ展望③。勝ちの馬の条件。消去法で浮かび上がる1頭。

今年のダービーは大混戦です。過去のデータから勝ち馬を探そうとすると全然当てはまる馬がいません。1984年まで遡ってもカチッと合致する馬は見つかりません(それ以前まで遡ると30頭でやっていたレースや、ゲートがなくて紐でやっていた時代にまで突入してしまいます)。

誰が勝ってもデータクラッシャーになってしまいそうなメンバー。おそらく多くの人が困っているのは皐月賞組の評価でしょう。

上位入線の馬の勢いが続くのか、上位人気の巻き返しか。

なんか変な感じがする今年の皐月賞組も、丁寧に見ていけば、勝ち馬候補は1頭に絞られます。

ダービー1着馬を探す消去法

前走は皐月賞(5番人気 or 5着以内)or NHKマイル1着(1番人気) or 京都新聞杯1着(2番人気以上)

  • アイトーン
  • アドマイヤアルバ
  • エタリオウ
  • エポカドーロ
  • オウケンムーン
  • キタノコマンドール
  • グレイル
  • ケイティクレバー
  • コズミックフォース
  • ゴーフォザサミット
  • サンリヴァル
  • ジェネラーレウーノ
  • ジャンダルム
  • ステイフーリッシュ
  • ステルヴィオ
  • タイムフライヤー
  • ダノンプレミアム
  • テーオーエナジー
  • ブラストワンピース
  • リョーノテソーロ
  • ワグネリアン

これで一気に7頭に絞れます。人気を集めるダノンプレミアムとブラストワンピースは前例のないローテーションなので早々に脱落。

この他にも「乗り替わりがダメ」などもありますが、そのような条件を持ち出すまでもなく絞り込み完了。

残った馬が頼りなく見える理由

  • エポカドーロ
  • オウケンムーン
  • キタノコマンドール
  • サンリヴァル
  • ジェネラーレウーノ
  • ジャンダルム
  • ステルヴィオ
  • ワグネリアン

この中から今年のダービー馬が誕生するのはちょっとイメージできない、という人が多いのではないでしょうか。

実際のところ、人気を集めているダノンプレミアムとブラストワンピースは、ローテーション以外には決定的な不安もなく(消去法的には)、それよりもむしろ期待したくなる走りを見せているのですから、余計こっちに心が傾きやすいのもうなずけます。

ですが、それでは面白くないですしダメなものはダメです。1、2番人気に消せる要素があるのなら、なんとか他の馬に買い要素を見いだせないか努力するのが穴党としてあるべき姿でしょう。

残っている7頭からなんとか納得のいく馬を絞り込みます。

エポカドーロ。2冠馬は、皐月賞の1走前も1着

エポカドーロはこれで脱落、とまではいかなくても自信を持って1着といえない存在であることがわかります。

なにしろ例外は、97年のサニーブライアン(逃げ馬)だけです。2006年の2冠馬メイショウサムソンは皐月賞を6番人気で勝ったのですが、その前走はスプリングステークス1着でした。

人気薄の皐月賞馬が2冠馬になるのは相当困難ということですね。勝ち続けている勢いがあるか……逃げて奇襲を仕掛けるか……

オウケンムーンとジャンダルム。皐月賞大敗から巻き返すには戦前から世代ナンバーワンの評価が欲しい

皐月賞で掲示板外の大敗から巻き返してダービーを優勝したのは、2009年ロジユニヴァース、1999年アドマイヤベガ、1987年メリーナイス、1986年ダイナガリバー。

ダービー馬で1着になる馬は、「この馬なら世代ナンバーワンになってもおかしくないよね」と思われている必要があります。ロジユニヴァースとアドマイヤベガは皐月賞1番人気。ダイナガリバーが2番人気。メリーナイスは8番人気7着ですが、2歳時に朝日杯を優勝。

唯一の勲章は共同通信杯1着のオウケンムーン。デイリー杯2歳ステークス勝ち馬ジャンダルム。紐なら全然ありですが、ダービー馬になるかと言われるとちょっと苦しい。

キタノコマンドールとワグネリアン。ディープ産駒は皐月賞4着以下から巻き返してダービーを勝てない

ディープインパクト産駒は基本的にサプライズがありません。得体の知れない初重賞挑戦でもない限りは、人気と結果が結びつきやすいタイプ。

なんとなく怪しいな、という評価だとやっぱりダメか……ということになりがち。

下位人気馬の激走ではなく、人気馬の凡走をいかに言い当てるかがディープインパクト産駒との上手な付き合い方。

レッドサクヤやマウレアの善戦を予見できたところで一銭も返ってきません……辛い……。

キタノコマンドール。皐月賞で初めてダービーの権利を取った馬はウィナーズサークルだけ

皐月賞で5着以内(4着以内)に入ることで初めてダービーの出走権を獲得するような馬が、ダービーを勝ったという事例は1回だけ。

1990年のウィナーズサークル。ちょっと古すぎますよね……

皐月賞5着で権利をとったキタノコマンドールは「運がいい」と言われていますが、ここまでで運を使い果たしている可能性もあります。

ジェネラーレウーノとサンリヴァル。皐月賞4コーナー5番手以内で人気以上に走って好走

皐月賞が荒れたとき、人気薄で3着以内に突っ込んだ馬はダービーで壊滅する法則があります。

ジェネラーレウーノはエイシンフラッシュっぽくて惜しいですが、この傾向にハマってしまいます。

消せない馬はステルヴィオ

ステルヴィオジェネラーレウーノが残りました。特に強調材料があるわけでもなさそうですし、ダービーで息切れしてしまうタイプに見える2頭ですが、実際は消せる要素がないのです。仕方がありません。あとは信じるのみです。

ステルヴィオは皐月賞4着で上がり最速。この境遇はレイデオロとワンアンドオンリーに似ています。

ルメール騎手の連覇?難しくない?距離持たなくない?またロードカナロア?出来すぎでしょ……

と、思うかもしれませんが、それよりも「消せない」という事実を尊重すべし。

ちなみに……

ここだけの話、というほどではありませんが、ダノンプレミアムにとって嬉しいデータがあります。データというか単なる事例です。

1985年のダービー馬、シリウスシンボリは前走レースが若葉ステークスでした。3冠馬確実とまで言われた皐月賞馬ミホシンザン(復帰後菊花賞勝利)が回避など、ゴタゴタがあった年です。

古すぎて参考にならないかもしれませんが、一応ダノンプレミアムのローテーションはありっちゃありということです。