2018年の日本ダービーを占う上で肝となるのはダノンプレミアムとブラストワンピースです。
この2頭の共通点は、間隔を開けてダービーに向かうこと。そして、それに加えて皐月賞を使っていないこと。
皐月賞を飛ばすということは、疲労やストレスが溜まらないという点でメリットは大きいでしょう。
しかし、3歳トップレベルの走りを経験するという大事な機会を損失したデメリットもまた無視できないものです。
G1は本気で走らなければいけいないという事実を知らされていないままレース当日を迎えることにはどんな不利があるのでしょうか。
日本ダービーの最重要トライアルが皐月賞である理由
過去のダービーの結果を見れば一目瞭然ですが、もっとも相性が良いステップレースは皐月賞です。
これには、はっきりした理由があります。
皐月賞を経験した馬は自分の本気レベルがガツンと上がるのです。
本気レベルが「3歳G1勝ち負け相当」まで引き上げられる。
仮に、2歳G1をレベル20、3歳G1をレベル30としましょう。ラスボス級の古馬G1はレベル40ぐらいでしょうか。
ダノンプレミアムは朝日杯の後は弥生賞しか走っていません。ということは「レベル20で走れば競馬は勝てる」と思っている可能性があります。これは由々しき事態です。
ブラストワンピースも然り。確かに毎日杯は後のNHKマイル2着馬ギベオン相手でしたが、ギベオンもギベオンで叩き台だったわけで、「自分の殻を破るほどの本気勝負」ではありませんでした。涼しい顔してサラッと走ってきただけ。
皐月賞を経験した馬たちは、「レベル30の力を出さないと競馬は勝てない。」ということを身をもって味わいました。
中には「ああ、もう無理。競馬って辛い」と感じた馬もいるでしょうし、「なるほど、なるほどですね。理解しました。次からは30に引き上げます。なんなら40でもいけちゃいますけど?」という馬もいるでしょう。
とにかく、「今のままではダメ」だと思うことが重要です。
別路線組から馬券に絡むには?
別路線組ならば、多少のストレスを溜めても、厳しい競馬を経験することのほうが大切です。
キズナが良い例で、武豊騎手のスパルタ最後方縛りによって、レベルを上げていきました。
スパルタが無理ならギリギリのスケジュールで薄氷を踏むような緊張感の中で権利獲得。これがベスト。
楽しちゃダメなのです。楽して権利を掴んだやつはみんな凡走してます。
で、結果的に別路線組は間隔が狭くなるので皐月賞組より不利なことに変わりはありません。
いかに疲れを残さずに、馬の想定本気レベル30まで持ってくるか。これが肝です。
テスト範囲が変わったことを知らされていないという圧倒的不利
日本ダービーを勝ち負けするにはレベル30が必要であるということがよくわかったと思います。
しかし、ダノンプレミアムとブラストワンピースはそういう事情を「知らない」のです。
たまたま学校を休んだときにテスト範囲の拡大が発表された、だけど友達は誰も教えてくれない、そんな状況です。
一人黙々と自宅で勉強。必要な分より狭い範囲の問題集をひたすら繰り返し問いています。まずいですね……
ということは、もしダノンプレミアムやブラストワンピースがレベル50ぐらいのポテンシャルを持っていたとしても、それを満足に発揮できないかもしれないのです。そこまで頑張る必要がないと思っているのですから。
こんな状況でダービーを勝つためには、彼らが相当なマニアである必要があります。4月に新しい教科書が配られたとき、勝手に全教科最後のページまで読破してしまうほどの勉強マニアです。万全を期すためには、図書館に行って百科事典を丸暗記するくらいの気合がほしいところ。
まとめ
クイズダービー、いや日本ダービーの最後の直線。
もうレースは終わったと思ったその瞬間、今まで問いたことのないような難問を突然出題される恐怖……さぞ面食らうでしょう。
ダノンプレミアム、およびブラストワンピースを推奨するということは、この2頭が出題範囲を知らなくても東大受験に合格するくらい勉強マニアである、と認定することと同義です。
世の中にはそういう天才が稀にいます。凡人には理解できない世界です。