天皇賞が終わって舞台は東京で怒涛の5週連続でG1。マイル、マイル、24、24、マイル。
NHKマイルは別々の路線を歩んできた馬が一同に会すややこしいレース。
クラシックではちょっと足りなかった馬、足りているのにここにも出てきてしまう馬、はじめからここ狙いの馬、なんとなくここに出てくる馬が混ざり合うのが特徴。
NHKマイルCの基本的な傾向
枠はあんまり関係ないが
枠はあまり関係ない模様。2014年は1枠の超伏兵が2頭揃って突っ込んできましたが、必ず内枠でなければいけいないという感じではありません。
とはいえ、外から来るということは「差し馬有利」の展開であることが望ましいのは言うまでもありません。先行馬であれば、さっさと位置を取って早い段階で落ち着いて構えることが必要。
なんの武器もないけれど、とりあえず馬込みを苦にしないみたいな馬であれば、やはり内枠を引きたい。
牝馬が強い
桜花賞からやってくる馬が2連覇中。この時期はマイル戦ならまだ牝馬のほうが強かったりします。
「強い」、という表現が気に食わなければ、「レースで上の着順になりやすい」ではどうでしょうか。
2頭を比べて同じぐらいかな、と思ったら牝馬の方を上にとるべし。
距離短縮、クラシック組
距離短縮組というか、皐月賞戦線からやってくる馬が好成績を収めています。
これはただ単にクラシックを狙っている馬のほうが強いという話であると思われ。
他に理由を付け加えるなら、鮮度問題もあるでしょう。
ニュージランドTやファルコンSでガチャガチャと似たようなメンバーで繰り返される低レベルな争い。それに対して別路線から挑んでくる超エリート。
似たようなメンバーとのレースでマンネリしているやつよりも、いつもと違うメンバーで新鮮な気持ちで走ることができる馬はとっても有利なのです。
短縮ではありませんが、桜花賞からの参戦も有利なのはそのため。
なので、ニューイングランドT組は、よほど強烈な推奨材料がない限りは、人気以上の好走を過度に期待するのはやめておいたほうがいいでしょう。
前哨戦の取り扱い
疲労やストレスとも関わる話ですが、ニュージーランドTやアーリントンC、あるいはファルコンS、つまりNHKマイルのために用意されているようなトライアルにおいて、そこで人気以上に好走したことによって初めて賞金が十分なラインに達した馬は割引が必要です。
すでに賞金十分、準備万端の馬に比べて、余裕がありません。
前哨戦の段階で人気がないということは力が劣るということであり、さら余裕がないとくれば、本番に向けてきっちり仕上げてくる馬より好走確率が落ちるのは自然なことです。
3歳春のスケジュールは本当にシビア。半年~1年前から予定通りのメニューを消化している馬ですら思い通りにならないのに、行き当たりばったりで本番にこぎつけた馬が結果を出すのはかなり難しいです。
血統・クロフネとフレンチデピュティが抜群
このレースで注目の血統は、クロフネとその父フレンチデピュティの血です。
過去の上位馬の血統を見れば一目瞭然。人気問わずバンバン馬券になっています。あまり深く考えずに名前を見つけたら買い目に入れておけばいいのではないでしょうか。
NHKマイルCは息継ぎなしで一気に駆け抜けるスピード勝負。道中のタメとかあまり必要ありません。同じ東京マイルでも安田記念は2000m以上でも走れる馬じゃないとキツイですが、こちらはもっとライトな雰囲気。むしろ軽くあるべし。
馬券になる確率が高そうなのは、アーリントンCで前が詰まる不利がありながら差のない2着になったパクスアメリカーナ。2月のこぶし賞では、今回そこそこ人気を集めるであろうケイアイノーテックを一捻りしています。
能力的な裏付けもあり、血統的にも相性が良く、前走不利を受けたことで今回の伸びしろも期待できる。非常に都合の良い1頭です。
あとはファルコンSを勝ったミスターメロディは母父がデピュティミニスター(クロフネと同じ系統)。ダートで実績がある馬の好走は昨年2着のリエノテソーロの他、ちょっと古いですが2009年ジョーカプチーノ(1着)、グランプリエンゼル(3着)など。悪くないパターンだと思います。
血統・ディープインパクトはイマイチ説
ディープインパクト産駒は不振。不振というか、出走数が少ないのであまり参考になりません。
勝ち馬はミッキーアイルのみ。初年度産駒がショッそうした2011年、2着にコティリオン、3着にリアルインパクトというのがあります。
十分な実績を持っている馬が出走してくれば勝負になるが、驚くような結果も出さない、という感じです。
今年はカツジ、ギベオン、ケイアイノーテックあたりが重賞で結果を出している馬として出走予定。
ギベオンは母父がデピュティミニスター系で、これはクロフネと同じ系統。2000mでも実績があり皐月賞に出ていてもおかしくない馬。終わってみたら「器が違ったね」ということもありえます。
さっさと好位置を取りたい
NHKマイルカップはガンガン突き進むスピード勝負になることが常であり、「道中のタメとかそういうの要らない」と言われてしまうレースです。モタモタしていると間に合わないのです。
差し脚を武器にしている馬が馬券になるとすれば、当然ですがペースが早くなったとき。あるいは、強い先行馬が自分について来た馬を潰した後に、どっと流れ込んで2、3着になるパターン。
そうでなければ、大抵の差し馬は「惜しいんだか惜しくないんだか」という感じで、掲示板の下のほうに申し訳なさそうに名を連ねることになります。
短距離組の1軍とクラシック組の2軍の戦い
なんだかんだと言いながら結局のところ、このレースの特徴は「短距離組の1軍とクラシック組の2軍の戦い」ということになります。
クロフネは得意、ディープが苦手、というのは半分ホントだけど半分ウソなのです。
ディープインパクト産駒に限らず、クラシック有力馬がダービーを捨ててこっちに向かってきたら勝つんじゃないでしょうか。
近年は前走クラシック組が3連勝中。その前のミッキーアイルやマイネルホウオウにしても、あと少し色気を出せばクラシックに向かっていたかもしれないような馬です。
まとめ
クロフネ(フレンチデピュティ、デピュティミニスター、つまりヴァイスリージェント系)
さっさと前にいける馬のほうが良い(この時期の東京は特に)
クラシック組のほうが基本的に強い(長い距離を走れる馬、走ったことがある馬)
注目馬。
パクスアメリカーナ
ミスターメロディ
ギベオン