このページでは、Mの法則に出てくる訳のわからない用語を解説しています。
よくよく考えると言っている内容は普遍的なのに、初見ではとっても難しそうに感じるMの法則。Mラーたちは、難しいことを難しい顔して言い合っているイメージがあります。いったい、誰がどこまで理解しているのか謎です。
これから紹介する解説はあくまでも私が勝手に思っていることなので、「それ、間違っている」的な苦情は受け付けかねます。
いわゆる初心者、これからちょっとM的なのも取り入れちゃう?って目論んでいる皆様の理解の助けになれば幸いです。
クソ種牡馬事典には各馬のM3タイプを載せています(参考はウマゲノム版 種牡馬辞典2015-2016)。
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M3タイプとは
競走馬の心身構造をS(闘争心)、C(集中力)、L(淡泊さ)の3つに分類したもの。なんていうか、言ってしまえば性格です。
中にはLC(S)のように複雑に記載しているものもありますが、先頭の文字がその馬の心身構造を示す主な性質となります。
()内の性質は、時々顔を出すよ、という程度ですので、その馬の性質を表す決定打とはなりにくく、レースでの走りの影響もほんの一部、あるいは一時的なものとなります。
S(闘争心) struggle
闘争心を持つ馬につきます。
一本調子に走ろうとする性質が強いです。行ったら行きっぱなし。器用さに欠けるので短距離向き。
自然と気性が激しい馬が多くなります。気性をコントロールするために、短縮や馬場替りなど、ショック療法の効きが良いです。
S質が強い馬は、競走馬人生の絶頂期にあらゆる障害を乗り越えて勝ちまくったりします。確変状態に突入するのです。昇級戦で相手が強くなってもガンガン走る。
「連勝中の馬は途切れるまで買っとけ」という格言がありますが、あれはS質が強い馬だと更に威力を発揮します。今は数が少ないですけど、一昔前はブライアンズタイム産駒とかよく皆さん狙われていました。
しかし、確変状態が過ぎると、いわゆる「終わった」状態になってしまいます。Sっ気が強過ぎると、かなり大きなきっかけがない限り復活は厳しいです。
L(淡泊さ) Light
淡泊さを持った馬につきます。
自分のペースで淡々と走ろうとするタイプ。
得意条件は、
- 距離延長
- 少頭数のレース
- 広いコース
- 外枠
- 自分より弱い相手とのレース
です。
オープン大将とか、トライアルホースが多いです。ぱっと見、身体能力が高そうに見えてもGⅠクラスで勝負にならない馬はこのL質があまりにも強いタイプだと考えられます。もちろんそれを超越してしまえば勝つんですけど。
C(集中力) Concentration
集中力を持つ馬につきます。
他馬との相手関係の中で走ろうとする性質です。
得意条件は、
- レース間隔が詰まっているとき
- 馬体重が絞れてきたとき
- 内枠
- ハイペース
- 自分より強い相手とのレース
です。
ステイゴールド産駒が大舞台で強いのは、このC質が強いからです。肉体的に劣っても集中力があるので強い相手にも怯まず頑張って走るのです。相手なりに走るとか、勝負根性とほぼ同じ意味だと思ってもらって構いません。
1頭だけでタイムトライアルをすればすごくいい走りをするのに、いざ多頭数の競馬になると勝ち切れない馬というのはCの要素が少ないのです。
こうして書くと、C系はなんかカッコいいし、高配当も連れてくるのでつい好評価にしがち。でもそんなに当たらないので注意。
M(まとまり系) これだけ日本語です。
S、C、Lの3要素を持っているタイプです。
偏りがなく、精神的にしっかりしている反面、突き抜けないという弱点もあります。まとまり系のなかでも、3要素の比重は馬によって異なるので、SっぽいMみたいなことが往々にしてあります。あ、これはいやらしい話ではありませんよ・・・
量
量とは、その馬の気の良さを決めます。
は?なにそれって感じですよね。量は非常に難しい概念です。なので、言葉そのものの意味よりも、量がある馬ってどんなタイプ?って感じで結果から考えるのが一番わかりやすいはず。
豊富な量がもたらすものは、
- 距離延長への対応
- 惨敗からの巻き返し
- 休み明けの好走
です。
量の概念はとてもむずかしく、Mラーの中でも諸説あり意見が分かれるところです。言葉の定義は置いておいて、量があると上のような性質を持つんだな、ぐらいの認識で良いと思います。
馬の戦績を見て、延長、惨敗後、休み明け、の走りがどうなっているか見ながらやんわり判断するのが無難です。
量とL系
L系が持つ性質と、量が豊富な馬が持つ性質は似ています。
似ているんですが、必ずしも一致はしません。量がないL系の馬も当然います。
量がないL系。つまりものすごく弱い馬です。そういう馬は残念ながらサラブレッドとしては落ちこぼれになってしまいます。
体力
強引な競馬、重馬場へ対応するためのもの。というニュアンスです。
体力が豊富だと、例えばハイペースのマイル戦などに強かったり、外々を回しても平気で伸びてきたりします。一般的にデカイ馬は体力豊富で、あとは人気に応えてきっちり勝てるそこそこ強い馬は体力があると考えて差し支えないと思います。
しかし、距離延長に対応出来るかというとそうではない。
ややこしいですが、雰囲気としてはこんな感じです。
量と体力
量と体力も似ていますが、これもまた違います。あくまでも量は気の良さであり、体力は体力です。
量が豊富でも体力がないと苦しい状況を走り抜く効果は与えてくれません。休み明けで激走した次走、レースのレベルが上がってあっさり凡走するやつは体力が乏しい可能性あり。
ストレス
接戦や、直線一気の競馬、同じようなメンバーとの戦いが続くと馬はストレスが溜まります。
サラブレッドのほとんどは胃潰瘍と言いますが、常にストレスがかかりやすい環境にいるのですから当然かもしれません。
ストレスが溜まると、競走馬はレースで実力を発揮できなくなります。凡走しても怒らないで下さい。「ああ、ストレス解消してんだな」と温かい眼差しで見守りましょう。
鮮度
馬がフレッシュな状態であることです。
休み明け、条件替わり、メンバー替わり、格上げ初戦、位置取りの変化(脚質・戦法の変更)により鮮度が上がります。
生涯でその条件(コースなど)、クラスの経験が少ない馬を「生涯鮮度が高い」と表現したりします。ジャパンカップや有馬記念で3歳馬が強いのは「生涯鮮度が高い」からです。
出走メンバーの中で、相対的に鮮度が高い馬は有利になります。不思議ですが、競馬ってそういうもんです。能力的なことはさておき、激走の可能性を秘めているので要注意。
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