寄稿。著:ハーツクライマニア
遂に引退となるゴールドシップ。有名馬の引退はいつも寂しいものですが、それでも私は今回いつもとは違う寂しさを感じています。
何かが違う。そう思いませんか?
ゴールドシップが個性的で強いからというのはもちろん大きな理由ですが、オルフェーブルの時やウインバリアシオンの時とは違った虚無感があります。
それは今年の有馬記念が競馬の歴史の分岐点と言える時期に差し掛かっているからではないか?そう思うのです。
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まわり続ける競馬の歴史
ハーツクライがディープインパクトを破った有馬記念は2005年。あれからもう10年が経ちました。
2006年、上記の2頭が引退をし、サンデーサイレンス時代が終焉。その次はメイショウサムソン・アドマイヤムーン・ウォッカ・カンパニーなど「悲サンデー系」が台頭(あくまで父系の話)、それと同時にダイワスカーレット、ドリームジャーニーなどサンデー孫世代と混在する時代が始まります。
そんな時代が数年続いた後、ディープインパクト産駒やハーツクライ産駒、ステイゴールド産駒などの強烈なサンデー孫世代が次々と現れ、非サンデー系の多くは影を潜めました。
キングカメハメハの襲来
まだまだ続くように見えていたサンデー孫世代ですが、2015年はキングカメハメハ産駒が大活躍。少し前まで「GⅠでキンカメはほぼ用なし」と言われていたのが嘘のように、当たり前に走っています。
非サンデー系として良血牝馬を集めやすいのは確かですが、他の種牡馬ではこれほど強い馬が表れないところを見ると、キングカメハメハの凄さを思い知らされます。
一方、サンデー孫世代として一時代を築いてきたオルフェーブル、ウインバリアシオン、ベルシャザール、ジェンティルドンナ、エピファネイア、ジャスタウェイ、フェノーメノ、キズナ・トーセンラー・スピルバーグ・・・。昨年のJC/有馬がピークだったかのように次々と引退。
最後に残ったのはゴールドシップ1頭。
そう言う意味で、今回のゴールドシップの引退は一時代の終焉であり、近年の競馬を盛り上げてくれた名馬世代の終わり。より一層寂しさがこみ上げてくるのは必然かもしれません。
新しい時代のスタートか?サンデーの逆襲か。
ディープブリランテ産駒やネオユニヴァース産駒、キンシャサノキセキ産区など「サンデーひ孫世代」が既にたくさん走っています。そしてキンカメ産駒の活躍。
なんだかメイショウサムソンの頃の「非サンデーVSサンデー孫(初期)」の頃に似てるような気がしないでもありません。
しかし、サンデーサイレンスが終盤にディープインパクトを排出したように、サンデー孫世代最後の大物が現れるかもしれません。それは私には知る由もありませんが、サンデー孫世代からキンカメ・サンデーひ孫世代へ着実に変化している昨今、2016年・2017年は色々な種牡馬混在の時代が来るのかな?なんて思っています。(ロベルト系はいつも誰かいるよね。)
今後サンデーのクロスが増えてくればまた違う変化、時代が来ることも考えられます。
先日、朝日杯を勝った「リオンディーズ」とかヤバそうな気配プンプンですね。
母父サンデー系、アドマイヤムーンと一緒です。
スペシャルウィークの血は豊富なスタミナと大舞台で強い底力を与えてくれます。今からダービーが楽しみです。
ゴールドシップの有馬記念を振り返る
話をゴールドシップに戻しましょう。
「勝てるのか?」を考えるために有馬記念を振り返ります。今年の天皇賞(春)なんか最高に面白いレースでしたが、そんなこと言い出したらキリがないので割愛。
2012年有馬記念、ゴールドシップ3歳
- 1着:ゴールドシップ(2:31:9)
- 2着:オーシャンブルー
- 3着:ルーラーシップ
3歳ということで軽ハンデ55キロでの出走。13番ゲートから最後方を進み、4コーナーで進出、そのままゴールへ一直線というレースでした。
2着がオーシャンブルー?低レベルのレースだったんじゃないの?という声もありますが、3着ルーラーシップ、4着エイシンフラッシュということで、メンバーレバルが極端に低かったとは考えにくいですよね。エイシンフラッシュは有馬記念に強い血統馬でもあります。
2013年有馬記念、ゴールドシップ4歳
- 1着:オルフェーヴル
- 2着:ウインバリアシオン
- 3着:ゴールドシップ(2:33:8)
14番からスタートで、道中はスローペース。オルフェーヴルが4コーナー前から進出を始め、大外を捲ります。その後ろをウインバリアシオン、ゴールドシップの順に付いていき、そのままゴール。かなり長い脚を使わされる展開となりました。
自分から動くレースで強いゴールドシップ。オルフェーヴルに先に動かれ、スローからの加速スピードで勝るウインバリアシオンに追いぬかれ、得意とはいえない展開。それでも他馬を寄せ付けない3着を確保し、強さを見せました。
2014年有馬記念、ゴールドシップ5歳
- 1着:ジェンティルドンナ
- 2着:トゥザワールド
- 3着:ゴールドシップ(2:35:4)
馬場改修後の時計が出やすい馬場。走破タイム2分35秒台の通り、条件戦より遅いタイムのレース。いくらトゥザワールドが有馬血統とはいえ、ここまでスローじゃなきゃ先着できたんじゃないの?と思わざるをえない内容でした。スローということで道中早めに進出するも、終始中途半端に大外をまわる展開。
余力を残すという意味では大損なレースでしたが、それでもキレっキレのジャスタウェイに刺されず、エピファネイア・ラキシスを交わして3着確保。タフさを見せる強い内容でした。
ゴールドシップは勝てるのか?
調教をご覧になりましたか?
ブイブイ言わせて走っております。元々ドスドスした走り格好な上に坂路調教なので、イマイチVTRを見ても分かりにくいですが、シップにしては素軽さを見せています。(主観です・・)
須貝氏(というか厩舎)はレースに合わせて馬を作るのが上手なので、体調は万全で来ると思います。去年のジャスタウェイのJCだって、体調良くない中で2着に入るまでに仕上げたんですから。
ラヴリーデイとショウナンパンドラは強いですが、レースの向き不向き・ローテーションを考えるとゴールドシップが上と考えるのが妥当かな?なんて。
穴党の私は人気馬が飛ぶと喜んだりしますが、今回ばかりは勝って欲しいなと思ったりします。
まとめ
私はハーツクライ・マニアなのでワンアンドオンリーを全力で応援しますが(馬券は別)、競馬の歴史の一時代を盛り上げてくれた名馬・ゴールドシップの最後をしかと見届けたいと思います!
ゴールドシップ・グッズ
余計なお世話かもしれませんが、ゴールドシップグッズを買うなら早いほうが良いですよ!
ターフィーショップの通販ありますよね?あれ、ハーツクライが引退したあと「来月買おう」と思っていたのに、気がついたら半年経っており、絶版。未だに後悔しています(´・ω・`)
ゴールドシップのように人気があっても種牡馬でよほど成功しない限り無くなる可能性の方が大きいんですよねぇ。競馬場に行けない人はお忘れなく!
おススメはTシャツ。競馬Tシャツってダサいのばかりですが、ゴールドシップだけは白地にお洒落な仕上がりになってます(笑)