秋華賞・クソ回顧。ビッシュはなぜ凡走したの?外れたレースほど反省した方が良い理由

秋華賞は残念ながらサクッと外れました。

スタートしてエンジェルフェイスが思い切って行かなかった時点で万事休す。行ったところで残った保証はどこにもないのですが。

福永騎手騎乗のヴィブロスが見事な差し切り。道中はスポッとポケットに入り込んでいい感じに走っていました。

福永騎手はポケットにつけるとだいたいうまく行きます。ポケットに入ったから勝ったのか、ポケットに入るのが上手いのか、それは誰にもわかりませんが、福永騎手を買う場合はポケットに入ることを全力でお祈りした方が良さそうです。

秋華賞結果。外れたほうが反省しやすい

1着◯ヴィブロス
2着△パールコード
3着△カイザーバル
4着 ジュエラー
5着 レッドアヴァンセ
・・・
8着▲ミエノサクシード
10着△ビッシュ
15着☆ダイワドレッサー
16着◎エンジェルフェイス

外れたレースほどきちんと反省した方が良いと思います。

なぜなら、自分がなにを間違えていたかわかりやすいからです。

外れたレースをそれなりにいい気分で反省するためには、あまりグサっとくる金額を賭けないことがポイント。まともな心理状態でないときちんと振り返るのは困難です。

当たったレースならなんとでも言えます。多少間違っていたとしても的中は的中ですし、あやふやになりがち。考え方がズレていても的中にもっていく馬券選びが出来ているならそれは立派な実力ですから、当たったときは素直に自分で自分を褒めてあげたほうが良いと思います。

それから、レースの回顧をするのではなく、あくまでも予想の回顧をするべきです。考え方は合っていたけど不利を受けたから負けたとか、そんなのはどうでも良いこと。むしろ不利をウケる可能性を加味して予想してなかったことに問題があります。

私は今回、◎エンジェルフェイスでした。キンカメが秋華賞と相性が良いこと、がっつり先行すればハマるかも、という可能性に賭けたのですが、結果的には例年通り(というか多く見られるパターン)わりと後ろにいた馬が上位を占める結果に。それでも敢えて前残りに賭けたのですが、ダメでした。

覚えていたらですが、秋華賞はもう先行勢からは狙わないと思います。

パールコードとカイザーバルの走りって、2015年のマキシマムドパリみたいな感じでしたね。そういう馬がいいのだと思います。スローのキレ勝負だと4,5着だけど、ちょっと流れがタフになるともうちょい上の着順を目指せる、そんな感じ。

エンジェルフェイスは全然違いました・・・。大間違い。

ビッシュが凡走した理由

ビッシュが凡走した理由は色々あると思いますが、他の馬にも共通する考え方として3つほど挙げられます。

  1. 鮮度落ち
  2. 輸送が合わなかった
  3. 疲れ

鮮度落ち

ディープインパクト産駒は初対戦、昇級戦、初重賞、初G1で強いのですが、反面、中だるみ現象も引き起こしやすいです。

ビッシュは春の時点で重賞を使われてオークス3着。オークスが一番鮮度を発揮したレースであると考えると今回は明らかに下り坂。ちょっとしたことで着順が入れ替えるのが競馬の世界です。生涯最高の状況でG13着の馬が下り坂の状況でパフォーマンスを上げる可能性はそれほど高くありません。「それを跳ね返すほど馬自体が超強い」と願うしかないのです。

紫苑Sはヴィブロス着差ほどの差は感じさせなかったので、初G1となるヴィブロスがさらに上昇してくること、人気を考えると秋華賞では逆転される方に賭けた方がお得です(結果論ですけど)。

鮮度の概念を信じていない人からすると何を言っているかわけがわかならないかもしれませんが。

輸送が合わなかった

ビッシュは関西圏での競馬が初めてでした。一般的にもよく言われる話ですが、初輸送は危険因子になり得ます。

血統とかデータとかMの法則とか、拘り馬券術を始めると舐めがちですが、輸送の影響って普通に考えてあるはずですよね。

「関西馬に比べて不利」これを考えるだけでも多少は違う予想になったのでは。

疲れ

M的な考えでは前走圧勝だから問題なしと言えるかもしれません。

でも、ビッシュはとても小さい馬です。休み明けで好走した反動があったのかも。ましてや差し馬。レースのたびに最後は全力疾走で普通に疲れます。

オークスのようなマイル適正が求められるレースで3着。紫苑Sは前哨戦なのでぬるい展開。そっち方面に適正を見せている馬が今回初めて小回り激流のG1となれば、馬が戸惑う可能性もある。馬自体がめちゃくちゃつよければ問題にならないんですけど。

レースが終わってしまえばなんとでも言えるのですが、それでも敗因が少ない馬はいます。でも、ビッシュはたくさんある。本気で挙げればもっとたくさん出てくるでしょう。

それをいかにレース前にきちんと精査するか、そして、思い切って馬券に反映させるかが重要なのですが、どうしてもレース直前は盲目的になりがち。なので、普段からいちいちチマチマ考えておけばいざというときにサッと出せるのでおすすめです。

カイザーバルが好走した理由

カイザーバルは父エンパイアメーカーであり、秋華賞に相性が良いミスプロ系。母母ダンスパートナーは先日逝去されましたが、有名馬が亡くなった直後、血縁関係者が大レースで好走するのはよくある話。血統だけ見ても買える存在でした。むしろ血統だけを信じて買っていれば良かったのかも。

それから、カイザーバルは前走ローズSは3着でした。なんかドタバタしている走りだなと思った人も多いでしょう。でも、ドタバタして3着なんだから地の力はあるんです。今回は外枠に入りましたが、むしろそれは好材料だったと言えます。内に入ったら閉じ込められて終わりだったかも。

わかっていたのかどうかわかりませんが、四位騎手は特に押さえることもなく、道中じわじわポジションを上げていきました。ああいう感じが合うのでしょう。でも、更に上のクラスだと厳しいかもしれません。

あと、春のチューリップ賞でこの馬は後方から馬群を縫って上がり3ハロン33秒1で6着(ちなみに勝ったシンハライトは33秒0)でした。ただのドタバタ先行馬なら出来ない芸当、と考えられなくもありません。

春の時点でそれなりに気の利いた走りをしている馬が、秋の前哨戦で僅差の3着。舐めないほうが良いよね、という話です。

デンコウアンジュが凡走した理由

デンコウアンジュは末脚が活きれば、今までは不利があった・・・など色々強調される材料をもった馬でした。でも、メイショウサムソン産駒です。だから私は切りました。

これは勝手な思い込みですが、メイショウサムソン産駒がG1を勝つためには、馬自体が相対的にめちゃ強くなければ不可能だと思います。展開に恵まれたりしても、「能力そのもの」が抜けていないと、競馬で最後に頭一つ抜けることはないはずです。

「めちゃくちゃ強い」って、どこでそんな判断を下すのかという話ですし、感覚的なものなので難しいですが、たぶん合っています。

もしデンコウアンジュが秋華賞を勝つならば、すでに阪神JFも桜花賞もオークスも勝っているはずです。百歩譲ってどれか1つは勝っているはず。でも現実には勝っていません。そういうことなのだと思います。

みんなの力が拮抗していて、それぞれが極限状態で戦うG1レースでは前に出られない。ディープインパクト産駒ならキレ、ステイゴールド産駒なら根性(狂気?)、キンカメ産駒なら総合力とかでわずかに抜け出ることが出来るかもしれません。

でもメイショウサムソン産駒にはそれがありません。隠し味的な、「ポケットにナイフ」的なの武器がないのです。だから、身体能力で圧倒するしかない、でも出来ない。そういうジレンマを感じます。