皐月賞クソ回顧。言わんこっちゃない。と、それでもやっぱり強いよねという感想

牡馬クラシック第一弾皐月賞が終わりました。気持ちは早くもダービーへ、という方も多いのではないでしょうか。

戦前は3強、3強と言われていましたが、フタを開けてみれば伏兵のディーマジェスティがレコード勝ち。競馬って本当に難しいですね。

「ざまあ見やがれ、だから言ったじゃないの。」という気持ちと、それでも掲示板を占めた上位人気馬の強さへの驚嘆が複雑に交差しています。

皐月賞の結果

1着◎ディーマジェスティ
2着△マカヒキ
3着△サトノダイヤモンド
4着◯エアスピネル
5着▲リオンディーズ

予想としては嬉しさ半分、悔しさ半分です。勝手な思い込みがハマりディーマジェスティは見事1着でしたが、3強+エアスピネルの評価はグズグズ。
ディープインパクト産駒を本命にしているんだから、結果的にはディープ祭り馬券で良かったのです。馬連、3連系の配分はちょっともったいない感じでしたが、逆に改めて単複の破壊力を思い知る良い機会になりました。

サトノダイヤモンドの評価。表と裏

体力任せでぬるい競馬しかしてこなかったことが最大の不安だったサトノダイヤモンド。3着は凡走なのか、はたまた走り過ぎなのか、評価は難しいところです。

ただ、今回の結果を受けて『休み明けの仕上がり途上で3着ならダービーは鉄板!』というのはちょっと短絡的な気がします。

スケールがデカイ、馬体がほかとは違う、操縦性が高い。などなどサトノダイヤモンドを絶賛する声は多いですが、これらセールスポイントは競走馬の特徴の一部に過ぎません。競馬に勝つために必要なものってもっとたくさんあるんです。

ムチを入れていない、は良かったのか

「これまでの3戦でムチを1発しか入れていないから凄い」というのは逆に危険要素として捉えることも出来ます。今回彼がもっと惨敗してくれれば良かったんですが、3着だとちょっと評価しづらい・・・

きさらぎ賞までの3戦で、サトノダイヤモンドはもしかしたら「競馬って楽なもんだ」と思っていたかもしれません。ルメールは優しいし、最後の直線で息が乱れるほど苦しくもならない。気分よく走れていい気分だなあ、みたいな。

本当にずば抜けて身体能力が高いならそれで良いのかもしれませんが、本来競馬って馬が能力の限界を超えて走る厳しいものです。ディーマジェスティなんかいつも蛯名騎手に叱咤激励されて大変そうです。

Mの法則では『苦→楽』とか『楽→苦』とか前走との関係で今回馬が能力を発揮出来るかどうかを判断する方法があります。楽な相手とばかり戦ってムチを使わずに本番を迎えるパターンは典型的な『楽→苦』です。わざとでもいいから、本番前までに苦しい体験をさせておくって重要だと思います。

で、ダービーはどうなの

戦歴の字面だけ見れば盤石のように思えます。いくらマイナスに見ても消すほどではありません。

悩ましいですねえ・・・「この馬はとても強いから」という理由だけで評価を上げる気にはならないので、何かもうひとつふたつ決定打が欲しいところです。

キンカメってこうだよね。って忘れてた

リオンディーズとエアスピネルに関しては、もうあの程度の馬だったということでいいんじゃないでしょうか。

帯に短したすきに長し。

あれでどうやってダービーで逆転するのか。教えてほしいです。

私は、今回の皐月賞はサトノダイヤモンドもマカヒキもなんか飛びそうだと思っていたので相対的にリオンディーズとエアスピネルを上に評価しましたが、間違いでした。完全に間違い。

キンカメはやっぱりキンカメ。昨年のドゥラメンテが例外なだけで、ほとんどの馬は最後の最後のもうひと踏ん張りとか、激流から抜け出す一歩上のスピードの伸びが足りません。もうそういうもんだと思って諦めた方が良い。
ドゥラメンテでさえ今年の2戦を見れば例外じゃなかったのではないかと思います。

ところでマカヒキ

マカヒキをダービーの本命に考えている人も多いでしょう。これが一番楽な気がします。だってディーマジェスティをマークしていればいいだけだから。今回よりも、もうちょっと近い距離で競馬を進めればいいんです。それでバテて捕まえきれなかったら、それはもう騎手のせいじゃない。

それから、今回はちょっと走り過ぎの感があるので疲労が心配。ワールドエースやリアルスティールのようになるんじゃないかという不安もあります。最後の直線、さあここから、というところであれ・・?っていう。

まとめ

ああだこうだと分析してみたところで、競馬ですからダービーではまた何が起きるかわかりません。リオンディーズとエアスピネルのワンツーかもしれませんしね。先行して誰も突付かなければありえる話です。

ただ、競馬って意外とシビアです。シビアというか、毎年おんなじようなことを繰り返します。「化物詐欺」「脚を余した詐欺」「先行して粘ったから一番強い競馬だった詐欺」・・・挙げればキリがありません。

何が言いたいかというと、自分の勝手な主観とか思い込みを差し込むバランスには気をつけようぜ、ということです。

特に春のクラシックは出走馬が歩むローテーションなんか限られたパターンしかないので、その中で今までの傾向を覆して逆転するにはかなり強烈な理由がないと難しいです。

その辺をじっくり考えて、これから1ヶ月楽しく悩みたいと思います。

※追記
色んな人が言ってますが、今年の3歳牡馬クラシックはレベルが高いと思います。皐月賞の上位9頭は特に。

秋になって古馬と戦うときは馬券でおいしい思いが出来るかもしれませんよ。気をつけたいのは、あくまでも最後は馬個体で見るということ。3歳馬だったらなんでもいい訳ではありません。

皐月賞の上位9頭は強い、という印象が強まれば強まるほど下位9頭の存在は忘れられやすくなります。かえって別路線組の方が評価され始めたりして・・・。評価が交錯するときこそチャンスです。